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チェルシー編/海外サッカー入門向けに強豪クラブベスト20の戦術と有名選手を紹介してみる Part 7

7位/チェルシーFC (Chelsea Football Club)
所属: プレミアリーグ 本拠地: 英国・ロンドン (チェルシー地域) 監督: アントニオ・コンテ

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愛称は「ブルーズ」(The Blues)。同じロンドンのアーセナルが労働者クラブなのに対し、こちらは中流層が支持層となってきた歴史がある。

2003年、ロシア・オイルマネーで莫大な富を得た大富豪アブラモヴィッチが降臨し、クラブのオーナーとなった。それ以降チェルシーは金満化し、世界中からスターを集めた。"青の革命"のはじまりだった。クラブは右往左往を経て2012年にCLを制覇し、欧州トップの座を占めた。

モウリーニョ解任を経て今季からはユベントスやEUROでイタリア代表を率いたコンテが監督に就任。
序盤はチェルシーというチームに馴染む4-3-3を用いて調子が悪かったが、これでは勝てないと即座に諦めて方向転換、ユベントスとイタリア代表で扱いなれており得意とする3バック(3-4-2-1) へとフォーメーションを変化させた。

この「1トップ2シャドー」フォーメーションがスランプに喘いでいたチーム随一のエース・アザールを見事に復活させた。左のトップ下に入り、サイドではなく中央でプレーするようになったアザールは、周囲との連携を取り戻し、才能を遺憾無く発揮した。

また、チーム全体の戦術としても、低めに設定した最終ラインからのパス回しで敵を前に引き出し、そこから一気に縦に展開してゴール前へとボールをワープさせる、"中盤省略"のビルドアップは圧巻。

左右のウイングバックを高い位置まで張り出すことで敵の最終ラインを押し広げ、それによって生まれた中央のギャップ(ズレ)を突く崩し。
カンテなどを中心に、アグレッシブなハイプレスを行うべき場面、コンパクトなブロックを築きロープレスを行うべき場面を選手が全員で判断し、ハイ&ローを使い分ける守備。

今シーズンはマティッチに代わり機動力のあるバカヨコが中盤の底のケアを一手に担うため、カンテはより前方でボール奪取を仕掛けることができ、より高い位置での攻撃的な守備が可能になっている。

戦術の国・イタリア屈指の名将が低迷していたチェルシーにかけた魔法は、全世界に驚きを与えた。


2016-17シーズン
https://youtu.be/i16V3Gb8L9s

今季の基本フォーメーション3-4-2-1

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エデン・アザール/ベルギー代表
MF トップ下

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サッカーボールを持っているにもかかわらず、ボールを持っていないかのようにコートを動き回るドリブルができる。ボールを持っていない時と持っている時の動きのスピードが変わらない!驚きである。

どちらかといえばベイルのような「純粋な速さ」ではなく、「素早さ」に長けたプレイヤー。極限の瞬発力を生かして緩急のあるドリブルを仕掛ける。ターン、切り返し、足さばき、隙を見つけた時の急加速、すべて正真正銘のワールドクラスだ。

独特のテンポとステップにトリッキーなフェイント、細かいタッチを織り交ぜたドリブルは、相手にとってとにかく脅威となる。サイドから独力での突破を仕掛け、単独でのチャンスメークをする、または単独で得点まで持ち込んでしまう。

身長170センチだがボディバランスがめちゃくちゃあるので、ドリブル中に巨体のDFに当たりにこられても崩れることがない。 次世代のバロンドール候補。

 

 


◆エンゴロ・カンテ/フランス代表
MF セントラル ボランチ

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昨年レスターで大活躍し、チームの優勝に大きく貢献した。
アフリカのマリにルーツを持つ。169センチと体躯は無いが、フィールドを縦横無尽に走り回る圧倒的な運動量と、刈り取るようなボール奪取能力が圧倒的。

フィールドプレイヤー2人分どころか3人分くらいの動きをするため、「カンテはどこにでもいる」とたびたびコラのネタにされたり、「カンテがいるチームは数人多く選手を使っているに等しいのだから勝つに決まってる」と敗北の方便に使われたりする。

現代サッカーNo.1のボール奪取能力はマケレレを彷彿とさせ、豊富な運動量はガットゥーゾを思い起こさせる。まだ若く、これからどこまで成長するのかが楽しみな選手だ。

 

 


◆アルバロ・モラタ/スペイン代表
FW センターフォワード

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監督とド派手に喧嘩して消えたディエゴコスタの代わりにCFを務めることになったチェルシーの新エース。

荒くれ者の不良が消えたと思ったら、同じポジションにレアル育ちのこの上ない優等生がやってきて不良を上回る活躍を見せ、全チェルシーファンは嬉しくてたまらないことだろう

優れたフィニッシャーで、サッカー脳を生かして戦術理解度が高く、指揮官の指示通りに動く優等生。チームがやりたいことを即座に理解し、スペースを作ったり、みずからがマークを引きつけ囮になったり、タイミングよくスペースに飛び込んでボールを呼び込みシュートを決めたりと、オフ・ザ・ボール(ボールを持っていない時)の動きが完璧。

現在離脱中だが、新加入にもかかわらずチームに無くては欠かせない存在になってしまったので、早く帰ってきてくれないとチェルシーはピンチだ。