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PSG編/海外サッカー入門向けに強豪クラブベスト20チームの戦術と有名選手を紹介してみる Part 6


6位/パリ・サンジェルマン FC(Paris Saint-Germain Football Club)
所属: リーグアン 本拠地: フランス・パリ 監督: ウナイ・エメリ

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カタール国王がオーナーであり、カタール投資庁が国庫から運営費を出すオイルマネー金満クラブの帝王。

フランスNo.1の強豪であり、2012-13シーズンよりリーグ四連覇を達成し、チャンピオンズリーグでもベスト8入りを四年連続で達成していたが、今季は国内リーグ優勝をモナコに譲り、CLもベスト16で敗退することとなった。

それでも国内リーグでは勝ち点87ポイントをもぎ取っており、3連覇達成時とほとんど変わらない勝ち点は確保しており、CLでも一度は4-0でバルセロナに圧勝(2nd legで1-6で敗北、逆転される)しており、着実にフランスNo.1クラブとして欧州のトップクラブ群とも存分に渡り合える力をつけてきている。
今季も早速CL予選リーグでバイエルンに対して真正面の力押しで圧勝しており、とてつもないパワーを持ったクラブになったなという印象だ。


パリの戦術は前任のブラン監督が構築したポゼッションだ。とにかくパスをたくさん繋ぐ。ヴェラッティマトゥイディなど中盤にボール保持能力とパス能力に優れたメンツが揃っていることも、ポゼッション力向上に大きく貢献している。
攻撃では、相手のブロック外にたくさんの選手を配置することで、ボールポゼッションを安定させる。ブロック外に数的優位を作り、相手のブロックを囲み舐め回すようにパスを回す。

最前線には強烈な個人技を持つアタッカーを数人配置する。これがこれまではイブラ、ディマリア、ルーカスなどで、今季はカバーニ、ムバッペ、ネイマールだったりするわけだ。
数的優位のブロック外から楔のパスを出し、相手のブロック内にいるアタッカー達に時間とスペースを供給する。
ボールの受け手に個人技を炸裂させやすい状況を何度も生み出し、思う存分力を発揮させる。そして前線のアタッカーにマークが集中して動けないときは、サイドバックが飛び出す。ロングパスを鋭く突き刺すのは司令塔ヴェラッティだ。

そういった従来のポゼッションに、エメリはカウンター要素を付け加えた。強烈なプレスからのショートカウンターというオプションはCL対バルサ初戦で何度も光り、観客を沸かせた。

しかし、「戦術イブラ」の後遺症は強く残っており、前線のアタッカーの個人技に頼るサッカーからいまだに脱却出来る気配がない。攻撃において前線のアタッカーに大きく自由を与えているので、ポジショニングが流動的になりがちだ。
ゆえにトランジションやボールを奪われた時、ポジションが狂っていやすく、スムーズに守備体制に移行できない。だからそこを相手に突かれると弱く、ディマリアが前線から降りてきてヘルプに走り回る状況も多く見受けられた。
ネイマールとムバッペという強烈な「個」が入った今季、この傾向が加速しないように願うばかり。

 

エッフェル塔ネイマール仕様に。「Bienvenue Neymar(ようこそ、ネイマール)」の文字が表示され、パリは諸手を挙げての歓迎ぶり。


パリ・サンジェルマン2016-17シーズン
https://youtu.be/cTHaH7qnu10


今季の基本フォーメーション4-3-3

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<有名選手> 

 

エディンソン・カバーニウルグアイ代表
FW センターフォワード

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パリが誇る世界屈指のセンターフォワード。昨季は怒涛の35ゴールを上げ、フランスリーグ得点王となった。 今季も8試合8得点とまだまだ爆発中だ。

フィジカル、スピード、テクニックを高いレベルで兼ね備えているストライカー。右足から放たれるキックは超強力かつ超精確。ゴリゴリに前線からの守備をする献身的なフォワード。

最大の強みはボールの受け方とゴール前でのポジショニングの巧さ。ペナルティエリア内での一瞬の動きで相手のマークを外し、ワンタッチでシュートする。

ドリブル技術はそこまでなため、一人で局面を切り開いて進む力はない。抜群のパサーを後方に配置してもらい、エリア内フィニッシャーに特化させてこそ輝ける。だからこそ、周りから質のいいクロスやパスがたくさんやってくるパリの環境は彼にとって最高だ。

 


◆キリアン・ムバッペ/フランス代表
FW セカンドトップ、ウイング

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16歳でモナコのトップチームデビューを果たした天才、現在18歳。同じモナコで活躍したアンリの後継者と言われており、レアルマドリーが230億で獲得を狙う次世代のNo.1スター。

最大の武器は変幻自在のドリブル突破で、驚異的な加速力とトップスピードで相手を置き去りにしたかと思えば、ほぼ止まった状態からの仕掛けでも、キックフェイント、シザーズなどを使ったり、鋭い切り返しを何回も行い、相手DFラインを無力化することが可能。

ボールタッチが非常にやわらかく、DFからすれば足を出すタイミングが掴みにくい。重心が低く、時折瞬間移動したかのような動きを見せる



ネイマール Jr. (ネイマール・ダ・シウバ・サントス・ジュニオール) /ブラジル代表
FW 左ウイング・センターフォワード

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この夏何かとメディアを騒がせた男。

2億2200万ユーロ(約290億円)というサッカー史上最高額でバルセロナからパリ・サンジェルマンに移籍した次世代のバロンドール。 今シーズン6試合6得点とフランスに行っても絶好調だ。

フットサル出身ならではの、ボールを足裏で舐めるようなドリブルが特徴で、右足の裏で舐めて左足でプッシュし、両足を使い分けることでテンポをずらし相手を抜き去る。
他にもシザースエラシコ、シャペウとあらゆるフェイントを駆使する。

そしてもちろんブラジル人特有の天性のリズム感も持っている。
ブラジル人はサンバのリズムとカポエラから発祥したジンガという魔法のステップを生まれながらにして兼ね備えていると言われ、
低い重心から特有の上半身のゆらぎにより相手を揺さぶり、逆をついて相手を置き去りにするプレーはまさにブラジルのアタッカーの姿そのもの。

前線の攻撃ポジションであれば、どこであってもプレーでき、スピードを生かして裏からトップスピードで飛び出し、突撃する。
また、アウトサイドシュートの強烈な威力も大きな武器。

ネイマール王様システム」のブラジル代表ではゴールを量産し続け、とてもイキイキとしている。PSGでもネイマールを中心の役割に据えたチーム戦術が是非とも見てみたい。