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アトレティコ編/海外サッカー入門向けに強豪クラブベスト20チームの戦術と有名選手紹介してみる Part.4

4位/アトレティコ・マドリード(Club Atlético de Madrid S.A.D.)
所属:リーガエスパニョーラ 本拠地:スペイン・マドリード 監督:シメオネ

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スペイン3強のひとつ。毎年レアル・マドリード
バルセロナと激しく互角の戦いを繰り広げる。

アトレティコ」は「総合スポーツ (Athletic) 」の意味。
ラ・リーガ(国内リーグ)優勝10回、国王杯優勝10回、
これまでに通算3回のCL準優勝記録を持つ。

同じマドリードを本拠とするライバルのレアル・マドリード
が主にスペイン王室を始め富裕層の支持と支援を受けるクラブ
であったのに対し、
アトレティコはおもに労働者階級の支持を受けて発展してきたクラブで、
サポーターは世界屈指のアツさ・激しさで有名。

トーレスアグエロフォルランファルカオジエゴコスタ
など世界屈指のストライカーたちを育てたクラブで、
シメオネ監督の就任とともにここ5~10年で急激に強くなったクラブだ。

2012-13シーズンは当時のCL王者チェルシー
UEFAスーパーカップで粉砕し、
国内カップ決勝でレアル・マドリーとのダービー戦に14年ぶりに勝利。

もうその勢いは止まらなかった。
13-14シーズンは最終節にバルセロナとアウェーで引き分け、
ついに国内リーグ優勝を果たす。

CLでもベスト16で08年王者のミランを倒すと、
ベスト8で06,09,11年王者のバルセロナを破る。

準決勝では12年王者のチェルシーをまたもや粉砕し、
レアル・マドリードとのCL決勝に進出。
延長までもつれ込むも惜しくも敗れる。

レアルとの因縁はおわらない。

14-15シーズンも接戦を演じたもののレアルに敗れCLベスト8敗退。
国内リーグでは幾度となくレアルに勝っているものの、
ヨーロッパの舞台では大きな壁となって立ちはだかった。

15-16シーズンもレアル、バルサと国内の覇権を熾烈に争いつつ、
CLでは決勝進出。またもやレアルマドリードとの対戦となり、
徹底的な堅守で延長までもつれ込んだもののPK戦
またもやレアルの前にCL優勝を逃す。

16-17シーズン、レアル、バルサと優勝争いを演じつつ国内三位。
もはやデジャブかと思うほどだが、
またもやレアルとベスト4で衝突し、敗北してしまった。

 

 

****************

 

 


この夏にアトレティコの新スタジアムワンダ・メトロポリターノ
が完成した。
クラブの新たな伝説の始まりを予感させる。

就任6年目のシメオネ監督は2020年までクラブとの契約を延長。
チームにハードワークとFor the teamの精神を浸透させ、
「堅守速攻」をそのまま体現するようなチーム作りを進める。

For the teamの意識とは守備の意識だ。
チームの一員として、全員がハードワークして守備をする。

スター選手は自らのゴールに繋がらない守備での貢献を嫌がるものだが、
シメオネはそれを一喝。

点が入りにくいサッカーというスポーツにおいては、
徹底した守備こそが勝利への道だと強く訴え続け、
騙されたと思ってやってみろと言う。

実際に巨人レアルマドリードを打ち破り、
バルセロナの攻撃を封じるという結果を出してみせたことで、
選手たちを納得させた。

高い守備意識とハードワークこそがシメオネイズム。
中盤と最終ラインに強固な守備ブロックを形成し、
反則スレスレの身体をぶつけにいくような強烈なプレスを仕掛ける。

ダーティワークもぶっちゃけ勝利のためにはアリ。
強烈でアグレッシブな守備により、相手はパス回しを冷静に行えなくなり、
そこにミスが生まれてくる。相手が怯んだ瞬間、すぐさまボール奪取へ。

そうして中盤と最終ラインで奪ったボールを攻撃陣に渡す。
攻撃陣はソリッドな速攻を仕掛け、それを後ろもフォローする。
攻撃に失敗すれば、すぐさま自陣に戻り、引きこもる。

まさに世界最強の堅守・速攻チームだ。
アトレティコは、フィールドプレイヤー10人全員が走り回って
ハードワークと守備をするチームというものの恐ろしさ、
強さを痛感させてくれる。

サボる奴が誰もいない。
この一体感が、選手のクオリティで劣るアトレティコ
レアルマドリードバルセロナと毎年互角に闘える
シンプルかつ最大の理由だ。


■2016-17シーズン

https://youtu.be/blUapzMSwec

 

■今シーズンの基本フォーメーション4-4-2

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<有名選手>

 

アントワーヌ・グリーズマン/フランス代表
FW センターフォワード、ウイング

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近年のリーガエスパニョーラにおいて、
クリロナ、メッシに続くストライカー。

ドリブル突破能力が高く、更にシュートレンジも広く
その左足から放たれる威力も絶大。

ペナルティエリア内でボールを合わせるのもまた巧く、
ウイングからセンターへのコンバートで元々持っていた
スコアラーとしての能力が開花した。

サイドアタッカー出身だけにサイドに流れるのが好きだが、
トップ下など中央でのプレーも得意としており、

最終ラインと中盤がしっかりと守備ブロックを形成する
アトレティコにおいて、
トップの役割の他にウイングや中盤と前線を繋ぐ
ドリブラーの役割も兼任するスーパーマンである。

攻撃時のチャンスにはほとんどの機会でボールに絡む。

自ら点を決めるだけでなく、一歩先の展開を瞬時に読む判断能力
でチャンスメイクにも多く貢献し、
堅守速攻による勝利を掲げるアトレティコで、
少ないチャンスを逃さず必ずキメてくる一撃必殺マン。

 

 

◆コケ/スペイン代表
MF サイドアタッカーボランチインサイドハーフ

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フィールドを前から後ろまで走り回るハードワーカー。

激しいプレスの守備とパスの散らし、中盤の組み立てを好む
というプレースタイル、
能力的には本来ボランチセントラルMFに置くのが相応しい選手
なのだが、シメオネは彼をサイドで起用する。

アトレティコは二列目と三列目で4-4の守備ブロックを組むため、
サイドであろうと守備やハードワークができないウィンガータイプよりも、
ハードワークと守備能力に優れたボランチタイプを置きたい
というシメオネの意向だ。
(サイドアタッカーインターセプトしまくるのは不思議な光景だ)

よって彼はサイドアタッカーにも関わらずドリブル能力
には長けているわけではない。
しかしボランチ的な視野の広さ、司令塔的なパスセンスの高さ
を生かして、中盤とのパス交換、
SBとのワンツーで華麗に相手を抜き去っていく。

すきを見てディフェンダーの隙間をつく鋭いパスを前線へ出す。
これがトーレスなりグリーズマンなりに渡ると、
そのまま決定機となり、貴重な一点に。

アトレティコにとって欠かせない心臓選手だ。


カラスコ/ベルギー代表
MF サイドアタッカー、ウイング、セカンドトップ

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足が速く、加速性能にも優れている。
ボールを持つとすぐさまスピードに乗り、
前へ前へとドリブルを仕掛けまくる。

シャペウやマルセイユルーレットなどトリッキー
なフェイントを駆使して相手DFを翻弄する様は見ていてとても楽しい。

 

レアルやバルサの守備陣相手だろうと、ひとり単騎特攻でボールを持ったままペナルティエリアへ簡単に入り込めるため、
アトレティコの攻撃の飛び道具として機能する。

しかし、守備の局面ではハードワークももちろん行い、チームに貢献する。
こういうドリブラータイプでここまで献身的に動けるのは
アトレティコシメオネイズムが浸透している証か。