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ユーヴェ編/海外サッカー入門向けに強豪チームベスト20チームの戦術と有名選手紹介していく Part.2

2位/ユベントス(Juventus Football Club s.p.a)
所属:セリエA 本拠地:イタリア・トリノ 監督:アッレグリ

 

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クラブ名の「ユベントス」はラテン語「若者」を意味する。
その始まりは、1890年代後半に、18人の高校生が創設したサッカーチームだった。

高校生がサッカーをしていたトリノのアルミ広場(Piazza d`armi)にはイレアーナという名のおばあさんが住んでおり、 このおばあさんは、いきいきと遊んでいた18人の子どもたちを見るのが大好きで、土日に若者の試合がある時に彼らの食べ物や飲み物を用意していた。

この「最初のファン」から、今でもこのクラブのファンは「老貴婦人(“ヴェッキア・シニョーラ”)」と呼ばれている。

クラブのカラーは白と黒(ビアンコネッロ)。ここからチームキャラクターはシマウマになっている。

クラブのレジェンドは多くいるが、1984-85年に欧州制覇を果たしたチームの中心プラティニ、1990年代初頭のバッジョ、 1994年以降のリッピ政権でバンディエラ(旗振り役)として欧州制覇に貢献したデルピエロ、90年代後半にCL決勝までチームを導いたジダンなどは誰もが知る伝説か。

2000年代にはトレゼゲネドベドなどのスターが活躍し、02-03シーズンにはACミランとのイタリア対決のCL決勝PK戦の末惜しくも敗れた。

その後カルチョスキャンダルの憂き目に遭い優勝を剥奪されセリエBへと追放されたものの、デルピエロブッフォントレゼゲネドベドなどはクラブに忠誠を誓い、残留。

クラブは見事復活し、2010年にコンテが監督に就任。

ここからピルロビダル、ポグバ、テベスなどをクラブに加えつつ、怒涛のセリエA連覇が始まる。

監督をアッレグリに引き継ぎ、至宝ディバラマンジュキッチ
イグアインなどを迎え入れ、セリエAは昨シーズンで7連覇達成。

ヨーロッパの舞台でもあらゆる強豪を打ち破って勝ち進み、近年3シーズンで2回の決勝進出バルサ、レアルに一回ずつ破れる)を果たしている。

 

 

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クラブの戦術としては、「BBBC」
ブッフォン-ボヌッチ-バルザーリ-キエッリーニ
という世界最強の守備ユニットが最大の売り。

今シーズンボヌッチACミランに引き抜かれたが、 それでも次世代イタリア代表CBのルガーニシャルケのキャプテンでドイツ代表のヘーヴェデスなどを用いて最終ラインの穴を塞ぎ、中盤に世界屈指のCMFマテュイディを加えるなど、守備力は低下していない。

コンテ時代から、イタリア伝統のカテナチオがこのクラブの基本方針だ。
EUROイタリア代表でも披露したコンテの「3-5-2システム」はユベントスアイデンティティとなった。

相手がボールを持って攻め込んできたら、サイドの二人は完全にDFと化し、フォーメーションは「5-3-2」になる。

最終ラインを綺麗に揃えてまず中央へのパスコースを消し、相手にUの字でボールを回させるよう誘導する。

ディフェンスラインとMF陣が一体となって上下動を行い、相手のプレースペースを消していく。

FW2人にも守備意識を持たせ、サイドにボールが出た際にはプレスに尽力させる。

 

攻撃時にはピルロを中心に、縦方向への長いキラーパスを展開。

相手は必死にこのレジスタにプレスを掛けようとするが、そこは一つ後ろのボヌッチの出番。
ピルロと同じ役割を、精確なフィードを用いて行う。

後ろのディフェンスをしっかりと固めて、差し込むようなロングパスを後方から前方に飛ばしていく。

まるで古代ローマファランクス戦術のように、どっしりと盾を構えて守り、スキマから長い槍で突き刺すような、相手からしてみれば反撃不可能の戦術でセリエAで無双した。

 

 

しかし、コンテの3-5-2は欧州の舞台に出ると、限界を露呈することも多かった。

ロベリーを抱えるバイエルンなど、強力なウイングを擁するチームに対して相性が悪かった。

守備時の5バックは5人が自陣の最後方に引きこもるが、サイドを相手のウイングとSBのオーバーラップに攻め立てられると、単純にサイドが1:2の数的不利に陥ってしまう。

引き継いだアッレグリはここを問題認識し、大胆な改革を始める。

まず3-5-2はそのまま移行するも、守備時には5バックというよりはスライドによって4バックになる陣形を整えた。中盤と合わせて4-4のブロックを敷き、相手のサイド攻撃に対応。

そして昨季からは3-5-2を捨て去り、4-2-3-1を採用している。
両サイドに守備に奔走できるマンジュキッチクアドラードの両ウイング。
攻め込まれる際には自陣に下がってきて守備のできるハードワーカーだ。

特に、電柱CFであるマンジュキッチのウイング起用は世界を驚かせた。
ウイングとマッチアップする相手は背の低いサイドバックだ。

これにより空中戦を9割勝利できるので、前線のターゲットとして機能。
浮き玉をマンジュキッチの方に向かって放り込んでおけば、簡単に前線にボールが渡ることになる。

「ゴール前のCFではなく、サイドにいるウイングにポストプレーをさせる」のは素晴らしい試みだった。

利点はもう一つある。クアドラード、もしくは今季獲得したダグラスコスタの右サイド突破から、ゴール前へクロスが飛ぶが、 それにCFのゴールゲッターイグアインに加え、奥からマンジュキッチ頭を合わせてくる。これは相手DFからすると非常に守りにくく、怖い。

 

ボヌッチを失ったいま、アッレグリは中盤のセリエ最強の天才パサー・ピャニッチピルロを急ピッチで進めている。

それをフォローするのは、相方のマトゥイディ、もしくはケディラだ。中盤を走り回り、フィジカルで圧倒し、ピャニッチが落ち着いてパスを出せる環境を保障する。

トップ下でゴール前の崩しを任されているユベントスの宝石・ディバラの覚醒も相まって、今季もユヴェントスのサッカーには眼を見張るものがある。


■2016-17シーズン

https://youtu.be/BoU54d18h4s

 

■今季の基本フォーメーション4-2-3-1 

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パウロ・ディバラ/アルゼンチン代表
FW セカンドトップ、トップ下、ウイング

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23歳にしてユベントスの至宝でありエース、次世代のバロンドール

プレースタイルは、ほぼメッシ。

ボールを受けてからの加速性能が高く、
トップスピードに乗ったままボールを止まっている時と同じように扱える。これはメッシだ。

繊細なタッチと独特のリズムのドリブルで止めようとする相手を細かいターンでひらりひらりとかわすため、捕まえることができない。これはメッシだ。

中盤やバイタルエリアでボールを受け、
ドリブルや周囲との連携によりあっという間にペナルティーエリアに進入できる。これはメッシだ。

身長は177センチとけして高くはないが周りを生かすポストプレーもできる。これもメッシだ。

タイミングぴったりな鋭い裏への飛び出しでボールを受けてゴールを決めることができる。これもメッシ。

ボールの芯をしっかり捕えることで、小さなモーション(足の振り)から強烈で精度抜群のシュートを打ち込める。ゆえにバイタルエリアに侵入されたら相手DF陣は1点を覚悟しないといけない。これもメッシだ。

直接FKの精度が高く、離れた場所からでもボールをカーブさせてGKの手の届かないゴールの隅へシュートを打ちこめる。これもメッシだ。

ユベントスが誇る次世代のメッシは今シーズン7試合10得点。
いったいどこまでゴールを量産するのか、目が離せない。

 

 

ジョルジョ・キエッリーニ/イタリア代表
DF センターバックサイドバック

 

 

圧倒的なフィジカルとボディバランスにものをいわせた体当たりなディフェンス!!

プジョルヴィディッチ型の「絶対にここは通さない!」的な、アツい気持ちと強烈な気迫でプレイする熱血センターバックの現役代表。

パスカットや1対1にも強いが、一番の売りは何と言っても対人プレー
対人能力は世界一
フィールド上や空中戦などのコンタクトプレーで競り負けることは絶対にない。

ところどころ気持ちだけで攻め上がる。
足元のテクニックはないが異常なほどの気迫でゴリ押しする。そして気持ちが入りすぎて定期的に守備を忘れる。
裏を抜かれるとハッと我に帰り必死に追いかけ全身でアタックしてブチ止める

「優雅なプレー」「フィード能力」「足元のうまさと中盤のパス回し・ビルドアップへの参加」などがCBにさえ求められる時代になってきたが、馬鹿野郎
ディフェンスに必要なのは守備力だ。
絶対にここは通さねえというアツイ気持ちだ!という思いが伝わってくるようなエネルギッシュさを持ったプレーをする。

ユヴェントスはシュートシーンで体を投げ出して相手の前に滑り込む彼の鉄壁ディフェンスに幾度となく救われてきた。

 


ジャンルイジ・ブッフォン/イタリア代表
GK


誰もが知る、サッカー史上最高のGK
17歳の時にイタリアのパルマトップリーグデビューし、翌シーズンには正GKポジを確保。2001年にユベントス移籍。

2006年のドイツW杯中にイタリアが戦った7試合でゴールマウスを割らせたのはPKとオウンゴール2ゴールのみ。

相手が流れの中から放ったシュートはすべてセーブして、イタリアのW杯優勝に貢献。その後も活躍を続け、15-16シーズンには974分というセリエ史上最長の無失点記録を達成。

一つの特徴に絶対的なポジショニングの確かさ。ゴールを防ぐ確率が一番高いところにポジショニングを取り、シュートを止める。

しかしそれに限らず、キーパーとしての能力すべてに穴がない。セービング、キャッチング、ポジショニング、ハイボール処理、安定感、全てのスキルが最高水準だ。

DFのコーチング能力も特筆に値する。後方からの指導で守備ブロックをつねに適切な位置に配置し、そこから漏れ出たシュートを自らが確実に処理する。

40歳になり、今年がラストシーズンと宣言。ユヴェントスは、いまだCL優勝の経験がないブッフォンの花道を作ることができるか。

 

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