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レアルマドリー編/海外サッカー入門向けに強豪クラブベスト20チームの戦術と有名選手紹介してみる Part.1

1位/レアル・マドリード(Real Madrid Club de Fútbol)
所属:リーガエスパニョーラ 本拠地:スペイン・マドリード 監督:ジダン

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Real MadridのRealとは英訳すればRoyalであり、
「王室の~」「王立の~」という意味がある。

これはスペイン国王アルフォンソ13世から拝領した称号であり、
クラブエンブレムの上にはスペインのブルボン王家を象徴する
王冠がかぶせられている。

中央政府や王室との繋がりも度々指摘されており、
スペインで国内内戦が勃発した際にはスペイン政府からの
スポンサー資金(=税金)投入で運営資金を賄っていたことも確認されている。

いずれにせよ「ヨーロッパ最強のレアル・マドリード
を維持することはスペイン政府・国民のプライドにも関わるところであり、
単なるサッカークラブの枠を超え、
スペインという国全体に影響を及ぼすクラブとなっている。

1902年に創立。
33回のリーグ優勝記録、CU・CL合わせて12回の欧州制覇記録を持つ。
詳しい実績はあまりに多すぎて書ききれないのでここでは割愛。

クラブの愛称は、純白のユニフォームを纏うことからエル・ブランコ(El Blanco)、つねに世界最強の選手がいることから銀河系軍団(Los Galacticos)と呼ばれる。

いつの時代でも、最高クラスのアタッカーを擁するスター軍団で、
1950年代にはディ・ステファノプスカシュ
60年代はアマンシオ、70年代サンティリャーナ
80年代はブトラゲーニョウーゴ・サンチェス
90年代はラウール、その後はブラジル人のほうのロナウド

いつの時代もレアルの会長は多額の移籍金と「レアル所属」という栄誉で、世界のスター達を一手に集め続ける。

会長が常にスターを取ってくるので、前線にはいつも世界屈指のストライカー達が揃えられる。

ゆえにクラブの指揮を任される監督にとっては、いつも最大の問題は守備となる。

しかしカペッロなど守備戦術をチームの基本としようとした監督は、「レアルらしくない」と会長から即座に解任される。

最近で攻守のバランスをうまく取ったのはデル・ボスケ監督で、ジダンフィーゴロナウド、ラウール、ロベルト・カルロスと「攻撃大好き・守備大嫌い!」なメンバーを大勢揃えながらも、なんとか後ろをうまくまとめて常勝軍団を作った。

モウリーニョ監督時代も前線に豪華メンバーは揃っていたものの、当時のバルセロナは強すぎた。当然モウリーニョバルサに対して「弱者の戦略」、 つまり「自分たちのサッカー」をやる相手に対して守備を鍛え、その弱点を突くようなカメレオンスタイルで臨んだものの「レアルのスタイルはスペクタクルな攻撃だ」とこれまた解任されてしまう。

アンチェロッティ時代には、当時唯一バルサを打ち破ることができたアトレティコの4-4-2戦術を取り入れて、バルサに対抗することに成功する。

前線からのプレスを選手達に浸透させ、堅守速攻

単なる引きこもりではなく「最強のカウンターアタックだ」という言い訳で守備的戦術を嫌う会長を納得させ、ハードワーカーのディマリアを酷使することで素早い攻守の切り替えを機能させた。

 

  

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そしてとうとうクラブのレジェンド、ジネディーヌ・ジダンが一昨年から就任する。

ジダン圧倒的なカリスマ性でエゴの強い選手たちをひとつにまとめあげ、「個」の力を最大まで引き出して、「個人技+個人技+個人技+・・・=チームパワー」の単純な足し算でレアルというクラブの力を史上最大化することに成功する。

けっして1+1を3や4にするようなチームプレーではない。
圧倒的な「個」を持つレアルは、1+1を2にするだけで十分に強かった。
これまではそれが1.5になっていただけのこと。

就任後まもなく、あっけなくジダンは欧州チャンピオンの座を手にすることになった。

ジダンレアル2年目の昨シーズンは使い勝手のいいカゼミロが生きて、
4-3-34-4-23-5-2と多くのフォーメーションを場合によって使いわけることに成功した。

戦術のオプションが増えたことで多彩な戦い方ができるようになり、相手のフォーメーションに合わせてレアルはフォーメーションを変更した。

攻撃は多彩で、サイドを起点に崩すことも出来れば、個人技同士を合わせたコンビネーションで真正面から相手の守備陣形を崩すこともできる。

前線の個人能力を活かした伝家の宝刀の切れ味鋭いカウンターアタックは健在だが、

ドイツ代表クロースやクロアチア代表モドリッチなど中盤にも世界No.1クラスの選手が揃っており、 十分にパスサッカーへの適性も高いため、ボールを保持し続け、相手をジリジリと追い詰めるポゼッションサッカーを行う場面もある。

 

ウイング・ベイルの怪我とトップ下・イスコの覚醒時期が重なり、ジダンは初めて、かつてACミランが用いて欧州を席巻した4-3-1-2の新システムをレアルに採用。

これが大当たりで、今シーズンからはこのフォーメーションを軸にリーグ戦を戦っている。

クリスチアーノロナウドの相棒としては相性のいいベンゼマが起用され続けているが、 アセンシオなど若手のワールドクラスFWも着々と育ってきており、マンネリ気味の最強前線に新たな風を吹き込む存在の登場は楽しみすぎる。


■2016-17シーズン

https://youtu.be/xBzxOmo21D4

 

■今季の基本フォーメーション4-3-1-2

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<有名選手>

 

◆イスコ/スペイン代表
MF トップ下、サイドアタッカー

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ボールコントロールの柔らかさ・上手さが異次元。
ボールを触ることに長けたスペイン人プレイヤーの中でも、ちょっと抜けてるかなというレベル。

ジダンの生まれ変わりかもしれない。

イニエスタ的な、視野の広さとかプレー選択が良いサッカーIQ型の上手さ というよりは、単純にボールコントロール能力が高く、巧い。

サッカー経験者は誰もが「ボールと友達になれ」と教えられたことがあると思うけど、こいつの場合はもはやボールとセックスしてる。それもだいぶマニアック内容の濃いやつ。

ゆえに依然はクレクレ君で、ボールを一度貰ったらだれが声かけても離したがらない感じがあり、それがレアルでスタメン起用されない理由の一つにもなっていたが、ここ一年で球離れが飛躍的に改善。

大人になって恋人とつねにくっついていなくても安心できるようになった。

周囲をうまく使えるようになったことで、その評価には磨きがかかり、いまや世界最高のトップ下の名を欲しいままにしている天才の、今後の成長から目が離せない。

 

 

ルカ・モドリッチクロアチア代表
MF インサイドハーフレジスタ

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攻守にわたってすべてが万能。 出来ないプレーが思い浮かばない。

中盤の底でチームを落ち着かせ、そこから長短のパスでボールを散らす事ができるし、機を見てバイタルエリアに侵入すると、チャンスメイクをしまくる。

普通の選手であれば奪われてしまうような場面でも相手をかわせたり、普通なら通せないようなパスをいとも簡単に通してしまう。

特に、アウトフロントから繰り出すサイドチェンジのパスは絶品。
インステップでパスを出そうとすれば1テンポ遅れてしまうところを、 足元からアウトにかけた精確なパスを出せるから、チームの攻撃はおのずとスピードアップする。

ドリブル、パス、シュートとすべてにおいてこれほど精度が高い選手は世界に存在しない。
小さい体から、強力なミドルを打つから驚かされる。

守備面も、ケディラのような激しさを出さないパスカットが非常に巧い。

相手のパスコースを読む予測能力、ボールが危険なエリアに出たときの発揮する危機察知能力は世界最高峰。

1対1の対人の守備でも、当たりに行くような激しさはないが、抜かれない堅実な守備でブロック形成に貢献する。
ボール奪取力は世界でもトップレベと言っていい。

守備において自らボールを奪い、チームを即座に攻撃へと切り替える。
これこそがカウンターを武器とするレアルの核となるプレー。

身体能力をバリバリに生かすようなタイプではない。
ドリブルも、加速力はあるがトップスピードはそれほど無い。

"巧い"選手。すべてこの一言で表現できる。
けっして単騎特攻できるようなタイプではない。
が、チームとしては欠かすことができない。チームの潤滑油。

 

 

クリスティアーノ・ロナウドポルトガル代表
FW ウイング、センターフォワード

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ウイングとCFの究極の融合系。
攻撃的ポジションに必要とされるあらゆる能力を極限まで高めたプレーヤー。

引き技、シザーズ、切り返し、股抜きなどを組み合わせたドリブルを得意とし、縦へのスピードも持ち合わせる。

長身にも関わらずドリブルの重心が低くストライドが小さい分足の回転が速いのが特徴であり、スピードの緩急や方向転換などの能力も高い。

体幹が強いため左右に動いてもバランスを崩さず、背筋が伸びたドリブル姿勢によりドリブルと同じ歩幅でシュートを放つことができ、
さらに広範囲を見渡せるため、ドリブル中でも質の高いパスを送ることができる。

ドリブル突破からのクロスも質が高く、高いクロスよりも低くて速いクロスを送る傾向がある。
また、両足で同レベルのプレーをすることができ、あらゆる方向にプレーを展開させることが可能。

マンU時代はドリブルをはじめとしたトリックプレーで "魅せる" 事に執着し、球離れも良くはなかったが、レアルに来てからはとにかくフィニッシュに全力を注いでいる。

化け物レベルにまで育った決定力によって欧州主要リーグでの通算得点が今季に370点の大台に乗り、ヨーロッパ史上最も得点を多く決めた選手となっている。