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「オンナ泣かせの悪い男」は、なぜこんなにも、腹立たしいほどモテるのか?(そしてなぜ、彼らは「悪い」ことになったのか?)

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──「オンナ泣かせの悪い男」というものは、仮にも「悪いやつ」であるくせに、ムカつくくらい女からモテまくる。

 


それは思春期、青年期とフェーズを経る中で、男の誰もが身に染みて感じることではないだろうか。

イケ好かない、悪どいオトコの掌中に、じぶんの憧れだったあの子が身も心も沈められてしまった──そう聞いたときの「おわった」感

 

なぜ、あんな奴らがモテるのか。

 

このエントリーではその謎に迫りたい。

 

 

 

オンナ泣かせの“悪い男”はなぜモテるか

 

これについて語るなら、レイヤーが異なる言及すべきテーマが2つある。

 

  1. 「オンナ泣かせの悪い男」は嫌われているようで、その実、オンナからとても人気がある。
  2. そもそも「求められる」ことがなければ、オンナを泣かせることも、悪い男になることもできない。

 

数字が前後するが、まずは2. の話からはじめていきたい。

 

そもそも「求められる」ことがなければ、オンナを泣かせることも、悪い男になることもできない。

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「オンナ泣かせの悪い男」は、異性から求められている。

 

──そうだ。彼がモテる以上、彼はまぎれもなく、オンナから求められている。

 

男はみんな「なんであんな奴がモテるんだ・・」とブツクサ不満を垂れがちだけど、その言葉を「なんであんな男がオンナから求められるんだ」と言い換えてみてほしい。

 

もし、「なんでこんなモノがいま売れてる(ウケてる)んだ、俺には理解できない」なんてセリフを(たとえ悔しまぎれにせよ)抜かすようなマーケティング担当者がいるなら、そいつはウンコだし、クビになるべきだ。

 

本気でモノを売りたいと思うなら、世の中に溢れるどんなくだらないヒット商品であろうと「なんで(売れるのか)」を真剣に考えてみるべきだ。

 

それなのに、男の口から発せられる「なんであんな奴がモテるんだ」という文章は、おおかたWhy疑問文のカタをとった非難文でしかない。

 

そこには「なぜ」を研究追求しようという気概が微塵も含まれていない。その後に続くフレーズは「俺はあんな奴にはなりたくない」とか「女はアホばっかりだ」みたいなもんだろう。

 

世の男たちは無能なマーケティング担当者のごとく、モノを売る立場にも関わらず「自分が欲しいもの」だけにひたすらフォーカスして、客の「欲しい」を「理解できねぇ!」と突っぱねてしまう。

 

自分自身「モテたい」と思う人間であるくせに、いま現在「モテている」人間を「ああはなりたくない」と否定する。

 

──このメンタリティは、ものすごく、ダサい。

 

まあダサいだけなら良い。このメンタリティには確かな実害があって、無意識のうちに男を「モテ」から遠ざけてしまう。

 

脳みそにフィルターが掛かる。「こうなっているはずだ」というアタマの中にある信念や妄想にすがり、「そんなはずはない!」と現実のほうを否定する。

 

しかし「モテ力」とは決して現実改変パワーではなく、今ここにある現実の波を、どうウマく乗りこなしていくか、という性質のものだ。

 

だからまずは、目の前の「現実」を、姿形そのままに受け入れよう。

──“オンナ泣かせの悪い男”はモテる。

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* 

 

──これを認めた上で、その理由について。

 

まず、「オンナ泣かせの悪い男」がそもそも「オンナを泣かす」ことになるのは、一途さ・誠実さ・献身性の欠如によるものだ。

 

オンナ目線からすると

  • 一途さとは「他のオンナを見ずにただ私だけを見ていてほしい」ということで
  • 誠実さとは「カラダだけじゃなくココロを抱いてほしい(ヤリたいがために嘘をついて騙さないで)」ということで
  • 献身性とは「わたしの為に身を捧げてほしい(犠牲を払ってほしい)/精神的・時間的・経済的リソースを投資してほしい」ということだ。

 

──よく考えてみよう。これらは3つとも、基本的にセックスした後のアフターケアのハナシだ。

 

オンナの口からこの話が出てくるタイミングは様々だが、

(むしろ非モテ男子にとっては必ずセックスの「前」に出てくる問題だろう。それはヒトの配偶システムの構造上そうなる)

どんなタイミングでテーブルに乗せられるにせよ、それらは全て、セックス後にあなたはどうしてくれますか、という事後のフォローアップに関する事項だ。

 

言うまでもなく、男女のセックスにはいつかのベイビー誕生がつきものだ(ヤればデキる)。

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ホモサピ進化の弊害──二足歩行による骨盤の狭まりと大脳のムダな発達──によって、ヒトの子供は超未熟児として生まれてくる。

 

ふつう、動物はもうちょっと育ってから生まれてくるものだ。ヒトベイビーは育てるのに非常に手間がかかり、母親は四六時中、それに付きっきりになる。

 

そのためヒトの子育てには、ママとその子どものため食糧を調達し、身の安全を保障するオス(夫)の存在が不可欠だ。

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ヒトのオンナが男に求める一途さ、誠実さ、献身性は、生物進化の結果備わったものといえる。

 

そしてこの責任を仮想的に放棄する(ゴムを付けることで子供はできないにしても、セックスした後の面倒を見ることを疎かにする)のが当該の男の行動だ。

 

  • セックスをしたが、その後の一途さ・誠実さ・献身性が薄っぺらい男
  • セックスをしたのに、すぐに自分の元を去った男(たとえば短期間付き合っていたとしても)

 

──こういう男に遭遇すると、オンナは悲しむし、寂しがるし、ときには罵る。

 

そしてさらに、それを聞きつけた第三者のオトコやオンナが口々に「それはひどい」と、やいのやいの謗る。

 

コミュニティ内に充満したエンパシーが、行為を「罪」というものに仕立て上げ、男は弾劾されることになる。

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このようにして「オンナ泣かせの悪い男」というラベルは社会に出現し、

 

・あるオンナとセックスしたものの、その後長期的な関係を築かなかった男

 

・あるいは(期間は被っていないにしても)複数のオンナと関係を築いている男

 

にペタッと貼りつけられるわけだ。

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──しかし、男が「モテたい」と思うなら、一緒になってそれに石を投げていてはいけない。

 

「あんなイケスカナイ奴がなんでモテるのか?」と疑問に思う非モテ・童貞諸君がまず覚えておくべきは、

✔️セックスできなきゃ悪者にはなれないしオンナを泣かせることもできない

ということだ。

 

「オンナ泣かせの悪い男はなぜモテるか?」という問いは、文章そのままに考えていれば、たしかに謎が深まるばかりかもしれない。

 

だけど、

「“(オンナから好かれてセックスをした結果)オンナを泣かせ、(オンナとセックスをした後のアフターケアを怠った結果)悪く言われている男 ” は、なぜモテるのか?」

と、コトの詳細について、補足を書き足してみればどうだろう。

 

セックスしてるじゃねぇか、と。

そしてセックスしなきゃそうはなれねぇじゃねぇか、と。

 

「あんなイケスカナイ奴がなんでモテるのか?」と悩む前に、モテるからこそ“イケスカナイ奴”にされてしまっている(必然的になってしまう)可能性について考えてみるべきだ。

 

 

オンナの感情を、涙が出るほど揺さぶることは、モテない男にはまずできない。

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「なんであんな野郎が・・・」と非モテがヤリチンを批判する際、「泣かせる」は無条件でマイナスに換算されている。

 

あいつ:オンナを泣かした人(-100 pts)

vs

オレ:〃 泣かしてない人(± 0 pts)

 

という、むちゃくちゃな脳内構図。

 

非モテはこういう比較から、“無害”な自分は“有害”なヤリチン男よりも価値ある人間なのだ、という風な論を打ち立て、

 

「そんなクソ野郎に引っかかってないでオレのところに来いよ()」

 

とのたまうわけだ。

 

──でもその感覚はズレてる。マジで。

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この流れから、さっき述べた1のテーマ:「オンナ泣かせの悪い男」は嫌われているようで、その実、オンナからとても人気がある。

─に話を移していきたい。

 

 

「オンナ泣かせの悪い男」≒ ヤリチンは、そもそもオンナが大好きな属性だ。

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──次から次へとオンナを取っ替え引っ替え。

いろんなオンナから「ずっとそばにいて」と言われてもそれを無下に断り、とにかく営業をかけまくる。

アフターケアの保証なしに契約をとりつけ、バンバン精子を売りさばく。。

 

そんな性的バイタリティの高いオスは、生物界共通の人気株だ。

 

それはただの性欲まみれ野郎がモテるということではない。

 

性欲をオンナで発散している男が(つまり多数のオンナに精子を受け入れてもいいと認められ、セックスにこぎ着けている男が)モテるというわけだ。

 

(オンナには、ただセックス不足のために性欲まみれな状態に追い込まれている非モテ男と、溢れる異性獲得欲求をオンナとの日頃からのセックスで解消し、性的に満ち足りているモテ男を、本能的なセンサーによって嗅ぎ分ける機能がある)

 

オンナはそういう手越みたいな男の遺伝子を取り込むことで、自らの遺伝子を繁栄させることができる。子孫を「モテ」のループに導くことができる。

 

ヤリチンのアクティブ=モテ遺伝子を受け継いだ子どもは、父親にならっておまんまん孕ませエリートと化すだろうし、母親の遺伝子もろとも広く世にタネをバラまいてくれることだろう。

 

生物個体はタネの淘汰を恐れ、タネの繁栄を欲する

だから、有性生殖を行うほとんどすべての生物種には、できるだけモテるタネ──たくさんの異性と性交渉の機会を持てるタネ──を欲しがるという、バイオロジカル・ユニヴァーサルというものが備わっている。

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ではここで、「オンナ泣かせの悪い男」の性格の典型を見てみよう。

 

  • とにかくヤリたいだけ。
  • それなのに無駄にロマンチック。
  • セックス獲得能力が高い。
  • 過去(or 現在進行形)に複数の彼女、複数のセフレあり。
  • 肉食系。バイタリティが異次元。
  • 軽い。仲良くなったら関係が重たくならないうちにすぐセックス。
  • オンナに事後投資しない。
  • 口が達者で丸め込むのが上手い。
  • とにかくフットワークが軽い。
  • 経験豊富で口説きが手慣れている。
  • オンナをドキドキさせることに関しては一流。
  • 一途さのかけらも無い。
  • 誠実さのかけらも無い。
  • 献身性のかけらも無い。

 

──見ての通り、彼らが持つすべての要素がバラ撒きに特化している。

まさに最強の遺伝子スプリンクラーだ。

マシンガンのように見境なくタネづけ(セックス)し、伝染病のように自分の精子キャリア個体の数を増やしていく。

 

オンナは(もちろん男も)、無意識にどこかで「タネの繁栄」というものを望んで性行為をしている。

 

「だれか一人の女だけに構うことなく、つねに手広くクライアントを抱え、迅速に生物としてのミッションを遂行し、生殖利益を上げる」

 

──このような男は遺伝子拡大戦略のプロフェッショナルだ。オンナにとってはすごく役に立つ。

 

オンナの遺伝子拡大戦略の基本方針は「男に乗っかること」だ。

 

性的な野心が大きく、遺伝子チェーンの拡大を目指す男の遺伝子に「乗っかる」ことで、自分の遺伝子は、世界の果てまでも連れて行ってもらえる。

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「オンナに一途で誠実なオス個体」は、とりあえずのひと世代を確実に繋ぐためのリスクヘッジ(子が育つまできちんと面倒を見てくれる)としては有用に機能する。

 

が、それだけだ。

 

 

──もちろん、そういうパートナーを確保することは一個体レベルでは非常に重要なことだし、マストではある。

 

しかし、そういうパートナーと排他的な生殖関係を結んで子作りすることによって、子孫代々遺伝子受け継がれていくか?

と問えば、その効力には疑問符がつく。

 

いうまでもなく、有性生殖動物は、異性のパートナーを確保しないことには、子孫を残すことができない。

 

子どもが生涯非モテ童貞/非モテ喪女のまま、一度もセックスできずに死んでもらったら、困るのだ。

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──「マジメで安心できる男」とパートナーシップ契約を結べば、たしかに一個体としては、暮らしに安定がもたらされるし、安心できる。

しかし、子孫が代々タネを紡いでいく上でのモテの安寧というものは、その安定した暮らしからは、けっして約束されない。

 

男の、「一途で、愛を誓った相手に正直かつ誠実かつ献身的である気質は、

“育児”=ホールド戦略にはとても有用だが、“繁殖” =エクスパンション(拡大)戦略にはまるで向かない気質だ。

 

繁殖に向く性質といえばその真逆、

「浮気性で、ロマンチックな恋が得意。女を口車に乗せるのが上手い」だ。

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「オンナ泣かせの悪い男」がムダにモテる生物学的理由としては、エクスパンション戦略に振り切った性質を持つオス個体だから、ということになる。繁殖に向くオスの形質と、育児に向くオスの形質はトレードオフの関係にある。

 

“サイテー” で “サイアク” な男である彼らの目には、ひとえに「メスのカラダ」という生殖資源しか映っていない。まさに正真正銘のカラダ目当てだ。

(そしてオンナは、ある意味彼らのカラダ目当てな性向にこそ、惹かれている。なぜなら、カラダ目当ての男は繁殖能力が高いから)

 

しかし、彼らがヤるそれは「奪う(TAKE) 」よりも「与える (GIVE) 」に近い行為ともいえる。

彼らは何かを奪ったが故に非難されているのではなく、(無責任に)与えたがために非難される。

 

彼らが盗ったものをあえてあげるとすれば、女の子のハートだろう。

 

──それは男がオンナにもたらした恋心だ。

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そんな“ 悪い男 ”の「軽さ」=フットワークの高さ=性的バイタリティの高さ=遺伝子戦争における野心の大きさが、

オンナの目にとくに魅力的に映えてしまう夜というものがある。

 

──それは月経の排卵期(Ovulation)だ。

:Krugar&Fisher(2005), Haselton&Miller(2006)

 

 

いま、世界中の人類学者、進化生物学者進化心理学者などはこぞって、ヒト本来の交配・生殖形態というものを緻密に描き出そうとしている。

 

これまではある種のタブーとされ、研究が捗らなかったものの、近年になって少しずつ認識が変わり始めている。

 

ホモ・サピエンスは、種として、一般にどのような交配ロジックでカップリングし、どのようにセックスの相手を見つけるのか。子供を産んだ/産ませた後、男女はどのようなスタイルで暮らすのか。

 

それは人類の過去を語ったり、現在を見つめたり、将来を見通したりすることにはけっして欠かせないパーツだ。ヒトが生物である以上、すべては生殖ありきと言ってもいい。

 

カップリングやセックスがどのようなスタイルで行われるかによって、動物種の社会や生態は多様に変化する。さらにはそれに適応した脳構造・身体構造というものが種そのものに備わり、種そのものを形作っていく。

 

人間の男と女の恋愛心理も自然の適応によって形作られたものであるから、恋愛をハックするにはヒト本来の生殖ロジックを理解し、システムの“ルール”をアタマに入れておくことが大切だ。

 

以下のようなことはホモ・サピエンスの生殖形態を解き明かす上で、非常に重要な手がかりであるとされている。

 

 

  • ホモ・サピエンスのメスは排卵期でもないのに性的欲求を発動させ、オスのセックスの求めにいつでも応じることができるというエクステンディド・セクシャリティ(拡張性欲)を持っていること

 

メス(オンナ)に関することばかりだが、動物種というものは概して、メスの好みや嗜好に合わせてオスがその姿や生態を変化させるものだから、まずメスに"How Do You Feel?"と問いかけることが生物学者のコンセントだ。

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──すべての男が薄々感づいているように、およそすべてのオンナは男のタイプというものを(シーン・カテゴリ別に)2種類持っている。

 

それはヒトの生殖が、

 

ミクスト-メイティング-ストラテジー(混合型配偶戦略, by 人類学者 デヴィッド・バス) 

 

という“二重構造”の配偶システムによって長らく駆動してきたことの名残だ。

(この事についてはまた別のエントリーで詳しく書くことにする。とにかく、「モラル」というものにアタマを囚われていては、自然/Natureの本来の姿を正しく見つめることはできない。科学は価値中立であるべきだろう)

 

──人間のオンナは、特に排卵期が近くなるとヒトが集まるところに出かけて言って、ドキドキするようなロマンスに落ちてワンナイトセックスをし、モテる男のタネを持ち帰る。

 

──その後、自分に対して一途で、母子の暮らしを養ってくれるであろう誠実で献身的な夫と、排卵期以外の期間をたくさん割いて、存分にベッドで愛を育む。

 

──子どもが産まれたら、「わたし良い環境で子育てしたいから、もっとお仕事頑張ってね」と夫の尻を叩き、目一杯に働かせる。

 

──夫の日々の献身によって豊富に子育て資源を与えられた子どもはすくすくと育つ。やがてたくさんの女の子を引っ掛け、モテまくることだろう。母親にとって、これ以上の幸せはない。




お分かりだろうか。

 

 

オンナ泣かせの悪い男が、ムダに性的に(セックスの相手として) モテている理由。

 

それなのに、長期の恋愛あるいは結婚シーンにおいては、「そんな奴はお断りよ」と言って、別のタイプの男をオンナが求めている理由。

 

 

──この世界は、役割分担で成り立っている。

すべては使い分けなのだ。

 

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なぜヤリチンは “悪い” ことになったのか

 

最後に、タイトルの副題について、簡単にまとめてこのエントリーを締めよう。それにはおよそ2つの理由がある。

 

 

ひとつ。オンナが泣くから。

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生物というものは、メスの好みや嗜好に合わせてオスが姿を変える──「メス・ファースト」でドライブされると先に述べた。

 

ヤリチンが、オンナとのセックス後に関係を継続しなかったり、他の女のところに向かった際、オンナが泣くのはなぜか。

 

よくいっしょにされているが、「泣く(cry)」「悲しむ(sad)」とは違う。

 

悲しみ、というものは感情システムのうち、本来は個人そのものに働きかける作用を持つ。「このネガティブな状態は生存・生殖には不利だよ」とココロが警告を出すことで、個体に同じことを繰り返さないようにさせたり、そこから “抜け出したい” →悲しくない方向に向かいたい、という動機を強く持たせる。

 

一方で、「泣く」は自分宛へのメッセージというよりも、周囲の人間に宛先が向けられたメッセージだ。

 

動物界においては、涙はふつう目に入ったゴミを取り除くためだけに分泌されるもので、「泣きの涙」は自然界の中でもヒト固有のものだ。顔面ディスプレイにはっきりと「泣いてる」ことがわかるように水滴をつけることで、周囲の人間がそれを読み取りやすくする。

 

「泣く」は赤ん坊がやるように、“ help ” (援助) の意味を持つメッセージだ。

だからオンナがヤリチンが去った後に泣くのは、その男を引き留める、もしくは周囲の友達や他の男に援助を求めるためだ。

 

😢(= モテ遺伝子を持つであろうヤリチン男が、わたしのところに戻ってきてくれたら嬉しい。いっしょに子育てしてくれたら嬉しい ;I need your help)

 

😭(= セックスまでしたのに、あの男が消えたの。悲しい。ひどい。さいあく。話聞いてほしい。誰か助けてほしい・・・;I need someone's help)

 

後者は「オンナは、オトコに振られた後に優しくされた別の男に落ちやすい」という現象のロジックを説明するだろう。

(子供育てるの手伝って、というわけだ)

 

援助(help)を求める存在は、“弱者”だ。彼女らをその悲境に陥れたクソ野郎は、而して「悪」とされるのだ。

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──いずれにせよ、「メスを苦しませる/悲しませる行為」は概して動物社会では「ルール違反」とされる。

 

 

 

ここで2つ目だ:男が怒るから。

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「メスを苦しませる/悲しませる行為」という動物社会の「ルール違反」に直面したとき、オスたちは “怒り” という感情システムを「カッ」と動作させるように作られている。

 

“怒り”の感情反応には、攻撃行動が伴うことが多い

ときには一匹のオスを多数のオスによってボコボコにするということもよく起こるし、それは動物社会にレイプ行為というものがほぼ滅多に存在しない理由でもある。

 

「メスがオスに対して情を示したり、メスがオスの求愛を受け入れることで、生殖行為ができる」という生物界のルールを “違反” したオス個体は、当然のこととして周囲のオスたちの怒りを買うことになり、激しい攻撃(リンチ)に晒されやすくなる。

 

だから自然淘汰の結果、そのようなレイパー個体は生き残りようがなかった。

 

たとえばハーレムを築くゴリラの群れでは、メスは総じてボスゴリラに欲情するし、そのオスがいくらヤリチンだろうと被害者がいない以上、その他のオスが(そもそも群れからは排除されてるが)その「悲しみ」に反応して、怒りや攻撃行動を発動させるということはない。

 

しかし、出産育児形態のちがいから、ヒトのメスは「ヤリチン」の離別に対し、悲しむ、泣く、という感情反応を示す(もちろん好意の情を示したからこそセックスに至ったわけだが)。

 

これに対し、人間社会において男のマジョリティを占める非モテオスたちは当然のごとく過敏に反応し、「怒り」を表明するようにできている。

 

「怒り」は権利の保持や生殖地位をめぐって争うための感情システムで、オス同士の生殖闘争をトリガーするものであるから、彼らの「怒り」はヤリチンによる生殖資源の独占行為に向けられたものといえる。

 

ヤリチン行為が、オスたちの“怒り”を招く以上、そこには淘汰圧(Selection pressure)が強くかかる。

しかし、ヤリチン行為 (たくさんの女とセックスをやりまくる) はその効能として、生殖効率を高める。選択と淘汰のベクトルがバランスし、決してヤリチン個体が淘汰されることはない。

 

 

──このようにして、「ヤリチン」という“悪”は、この世に栄え続ける。

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なぜか。

 

何度でも言おう、

オンナがヤリチンを望むからだ。

 

そして彼らが「悪」として断罪されるのは、

オンナがヤリチンに哀しむからだ。

 

 

モテる男(ヤリチン)であるからこそオンナは彼を望むが、モテる男(ヤリチン)である以上、彼は他のオンナのところへ向かうことになる。

 

モテるは善か、悪か。

非モテは善か、悪か。

 

そのような善悪の観念はつねに時代とともに流転するし、社会とともに変容する。

 

別れの悲しみには出会った喜びが内包されているように、孤独の寂しさには一緒に過ごした満足が含まれているし、あらゆる不幸は幸せだった記憶とともにある。その片方だけを手にすることはできない。

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だが、ヒトの脳には時間軸と因果律というものがあり、

「先の幸福→あとの不幸」をその幸福総量よりも過剰にネガティブなものとして評価し、「先の不幸→あとの幸福」をその幸福総量よりも大きくポジティブなものとして評価する

というバイアスが備わっているから、

 

「そんなことなら初めから口説かないでよ」

(=別れるつもりなら初めから出逢わないでよ)

 

とオンナは言う。

 

"後から振り返る"シチュエーションにおいては、

「口説かれ、一緒に過ごした時間の幸せ」のプラスを「すぐに別れることになる不幸」のマイナスよりも何倍も軽んじて重み付けし、価値判断してしまう。

 

 

──これ(先の幸せ<後の悲しさ という価値判断)が、

 

「ヤリチンは世の中に“オンナの不幸”をバラまいているだけ理論」

=ゆえに彼らは悪である

 

を成立させるロジックとなっているが、しかし同時に彼らは「オンナの幸福」をも世の中に大量にバラまき、供給しているという事を決して忘れてはいけない、という事。

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現代社会。

 

世の男たちがオナニーに走り、ネット上のオンナと妄想的にセックスすることに満足しているせいで、いまや一握りのモテ男たちは「オンナをワクワク&ドキドキさせる」という役目を一手に担うことになっている。

 

ひるがえって、オンナと関わりがない非モテ男について考えてみると、彼らは “オンナの不幸” も “オンナの幸福” も、まるで生み出さず、供給もしていない。

 

  • ヤリチンはオンナに幸せをもたらすことで、結果として不幸を招いてしまう
  • 非モテはオンナに幸せをもたらさないし、ゆえに不幸ももたらさない

 

こうしてみれば、どちらを「悪」とし、どちらを「善」とするかは本来イーブンであってもいいはずだ。

これだけ世の中に「ヤリチンは悪だ」という言説が世に蔓延っているならば、「非モテは悪だ」という言説もまた、それなりに有っていいはずだ。

 

そうなっていないのは、ただ、

非モテ男」はオンナを泣かせたり、オトコを怒らせたりすることが無いから

ということに尽きる。

 

そもそも彼らの姿はオンナの目には留まらないし、男からしても生殖競争のライバルになりようがない以上、彼らを攻撃する必要がない。

 

──社会はこういう仕組みになっている。

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“オンナ泣かせの悪い男” ?

 

 

──善悪など幻想だ。

すべては生殖競争と、それについての阿鼻叫喚に過ぎない