セビージャ編/海外サッカー入門向けに強豪クラブベスト20チームの戦術と有名選手紹介してみる Part 16
16位/セビージャFC(Sevilla Fútbol Club)
所属:リーガエスパニョーラ 本拠地: スペイン・アンダルシア州セビリア 監督:エドゥアルド・ベリッソ
スペイン3強(レアル・バルサ・アトレ)に次ぐ存在。昨冬まで清武が所属してたとこ。この夏来日した。チャンピオンズリーグに出られなかったクラブが集まるヨーロッパリーグで三連覇を成し遂げたEL番長。
昨シーズンは、コパ・アメリカ(南米選手権)で名だたる強国を抑えてチリ代表を優勝に導いたホルヘ・サンパオリを新監督に。
エメリ監督が率いた、いままでのバランス重視の手堅いプレイスタイルから一転。ハイプレス&ポゼッションを両輪とする攻撃的サッカーを始めた。
守備ラインを高く設定し、献身的な走りとパワープレイで泥臭くボール奪取。奪った後は選手が波のようにゴール前に押し寄せてシュートを決める。
・・・という戦術を組んでいるくせに、昨シーズンは元フランス代表ナスリの謎の王様システムだった。才能は抜群にあるがやりたい放題の問題児で献身的なプレーからは程遠いナスリがチームの真ん中で王様として構えた。
全員守備・全員攻撃の戦術のセビージャだが、ナスリが王様となって真ん中に構えることで謎にバランスが取れた。ナスリ以外の全員が筋肉となって動き、ナスリはそれに電気信号を流して刺激を与えるスイッチ役。
これがうまくハマり、躍動したチームはスペインメガ3強に次ぐ4位でリーグを終えた。
今シーズンはその王様ナスリが退団したものの、チーム戦術は継続中。アグレッシブで泥臭い、選手が波のようにゴール前に押し寄せる連続パンチ戦術を繰り出す。チームの心臓である世界最高峰のボランチ・エンゾンジに指揮権が戻ったが、彼は守備に孤軍奮闘、絶賛過労死中だ。
■セビージャ 2016-17
https://youtu.be/HrSLQN4yk_I
■今季の基本フォーメーション4-1-4-1
<有名選手>
◆スティーヴン・エンゾンジ/フランス
MF 守備的ミッドフィルダー(ボランチ)
セビージャの屋台骨。
中盤の底にズンと構えて守備をガチガチに引き締める。黒人らしい190センチのフィジカルを存分に活かした広く分厚い守備、空中戦の強さ。身体能力で前へ前へ運ぶドリブル。ヴィエラの再来であり、最終ラインが頼りないから中盤で守備を引き締めてくれる人いないかなぁとお困りのチームはまずこの人に頼むといい。
この夏イギリスから育った地セビージャへと帰還したドリブラー。
持ち味は一級品の精確なクロス。
スピードを生かしてサイドを縦に走り抜き、切り替えて中に少し入り、キュッと縦にいってクロスをあげる・・・このワンパターンのみをひたすら磨き上げている。このワンパターンを試合中何度も繰り返し、いいとこにボールを上げ続ける。こういう存在、ストライカーからしたらマジで有難い。
◆ノリート/スペイン代表
今シーズン加入の、サイドを起点としながら独力でフィニッシュまで持ち込める突破力が売りの、遅咲きストライカー。
J.ナバスのようにサイドからクロスを上げるというよりは、自分でドリブルしてシュートまで持ち込みたいタイプ。
セビージャの攻撃牽引に期待がかかる。