W杯出場国32チームが出揃ったので強さ順にランクづけして戦術・フォーメーション・注目選手等を紹介／25位エジプト🇪🇬

25位／エジプト代表（ファラオズ、The Pharaohs）
FIFAランク30位、7大会ぶり3回目
監督：クーペル

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人類最古、紀元前3000年ごろにナイル川流域に文明が興り、ファラオの元に統一王朝を築いた。前332年にはアレクサンドロス大王に征服され、ギリシャ系王朝であるプトレマイオス朝が成立、都アレクサンドリアを新設しヘレニズム世界に組み込まれる。その女王クレオパトラは国内の内紛を治めるためにカエサルと結んでローマ帝国に介入を依頼、王朝の滅亡とともにローマの属州化されることになる。

その後イスラームに染まったエジプトにはファーティマ朝が成立。都カイロが建設される。ヨーロッパからの十字軍が遠征してきた際には英雄サラディンがこれを撃退、彼はやがて実権を握りマムルーク朝を建てた。1517年にはトルコのオスマン帝国に併合され、この支配が近代まで続く。

18世紀末、イギリス-インド間の交易路を断つために行われたナポレオンのエジプト遠征に刺激を受け、ムハンマド・アリーがエジプト=トルコ戦争に勝利しオスマントルコからの独立を果たす。しかしスエズ運河建設許可を与えたことに付け込まれて英仏の進出が本格化し、やがてイギリスの植民地となる。

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WW1後イギリスより独立。WW2後、アラブ人の同胞であるパレスチナの民を助けるためにアラブ諸国で囲んでイスラエルをフルボッコにしようと図ったパレスチナ戦争でまさかの敗北。1952年、この影響で国内ではエジプト革命が勃発し、王政は倒れ、共和制へと移行。大統領ナセルは冷戦下で米ソのどちらにも与しない、「第三世界」のリーダーの一人となる。スエズ運河国有化を宣言し、イギリス利権を国内から一掃した。

1981年からはムバラク大統領の長期政権が続き、警察権力を強化するなどその政治は次第に独裁下。アラブの春の影響もあり、これに対する革命がさらに勃発。2011年にムバラク体制は崩壊した。

アフリカネーションズカップ最多優勝、アル=アハリなどアフリカ最強クラブを所有する大陸一のサッカー大国という誇りを胸に、約30年ぶりにW杯の舞台に戻ってきたエジプト。
2015年にエジプト代表監督に就任したクーペルは、徹底した守備ブロックの形成に定評があり、堅守速攻スタイルでバレンシアを2年連続CL決勝に導いた鬼軍曹だ。

"私は刑務所と軍隊が好きだ。"

はクーペルが語った言葉だが、選手を自分の戦術のコマとして扱い、叩き込んだ規律を守って動き、ハードにプレスすることを求める彼のスタイルを表している。

９人がつねに自陣でひいて守って、相手の前線に残っている２人で攻める。相手に点を取らせなければサッカーは負けない。１－０で勝てればOK。

ドン引きひきこもりの潔すぎるその絶対守備スタイルは＂アンチフットボール"=フットボールの面白さを阻害するサッカー界の敵として嫌われることも多かった。

しかし、クーペルに率いられたチームは、例外なくDFラインのコントロールやプレッシングなど現代サッカーの守備作法を押さえた統制のとれたチームに仕上げられており、このエジプトも例外ではない。邪道でサッカー界の敵、といくら揶揄されようとも、そのスタイルは「基本」で「王道」の守備戦術を忠実に遂行しているだけなのだ。

そしてこの国には、いまや "エジプトのメッシ"(モハメド=サラー) がいる。世界最速の選手の一人であり、崩しに絡みながら威力のあるシュートを放つ。カウンターサッカーにもってこいの逸材を揃え、エジプトはW杯の舞台に乗り込む。

■基本フォーメーション4-2-3-1

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